2025年3月、野村は英字新聞のフィナンシャル・タイムズ(FT)が運営する「FTスクールズ」を協賛することになりました。FTスクールズとは、FTが社会貢献活動の一環として世界中の高校生と教師を対象に、学校単位でFTの英語のオンライン購読を無償提供するプログラムです。2018年の開始以来132カ国で、6,000校以上、74,000人以上が利用しています。
当社がFTスクールズに協賛した理由や、プログラムの内容についてご紹介します。
野村グループは、「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」というパーパスを掲げており、次世代の人たちが経済の基礎やお金の扱い方についてきちんと理解できるようになることがとても重要だと考えています。FTは、こうした考え方に対し深い理解を持っており、また質の高いジャーナリズムを提供していることから、今回のパートナーシップ締結に至りました。
野村は長い間、特に金融リテラシーの面において生徒の皆さんが将来役に立つ知識とスキルを身につけることができるような取り組みを支援してきました。FTスクールズは、こういった私たちの想いに最も適したプログラムだと考えます。
私たちは、質の高い教育には世界を変える力があると考え、1990年代から教育関連の取り組みを通じて次世代育成を支える活動を続けてきました。今も世界各地の拠点で様々なプログラムを通じて次のような取り組みを広げています。
- 日本:社員が小学校から大学までを訪問し、投資、経済、起業について授業を行っています。教師向けに金融リテラシー教育を効果的に行うためのセミナーも提供しています。
- 欧州:英国とフランスで活動する慈善団体SEO(Sponsor for Educational Opportunity)と連携し、これまで課外活動に触れる機会があまりなかった生徒が、就業体験やワークショップ、職場見学を通じてキャリアを築けるように支援しています。
- インド:学校の設備の充実化、基礎的な読み書きの習得支援、奨学金の提供に取り組んでいます。
- アジア(日本を除く):社会的インパクトを生む団体に複数年にわたり助成を行い、低所得コミュニティの未就学児向けに質の高い幼児教育・保育を支えるプログラムを支援しています。
- 米国:学用品の入手に格差が生じないよう、学用品配布の取り組みを支援しています。
そして今回、グローバルに展開するFTスクールズのスポンサーとなったことで、より多くの生徒に金融リテラシーを身につける機会を提供できるようになりました。
FTスクールズは生徒にとって多くのメリットがあります。記事は英語ですが、世界水準の記事に触れることで幅広い知識が身につき、分かりやすい表現や最新の事例をレポートや課題に活かせるようになります。FTを読む習慣がつくと、世界のビジネスや政治、文化についての理解も深まり、物事を多角的に考え、根拠に基づいて判断する力が身につきます。
FTのグローバル教育編集者であるアンドリュー・ジャック氏は、「生徒の視野を学校の外へ広げるのに、とても効果的です」と語っています。
専用サイトFTスクールズ の教材に加えて、生徒向けのニュースレターやポッドキャスト、動画も用意されています。学校の授業の枠を超えて役に立つスキルを身に付けられる内容で、例えばお金の知識(金融リテラシー)、データの読み取り方、メディアを見抜く力(メディアリテラシー)などを学べます。
生徒や先生は良いと思った記事をFTスクールズのコミュニティに推薦できます。また、イギリスの全国的経済学会として知られる王立経済学会や、地理学の発展を促進することを目的として1830年に創立され王立地理学会などのパートナーと連携した生徒向けコンペも定期的に開催され、優秀作品はFTに掲載されます。
FT スクールズは、生徒の学業やキャリア形成に大きな影響を与えています。
FTスクールズを受講したシンガポールの生徒は、「フィナンシャル・タイムズや時事問題への関心が高まったことで、経済学を進路として選びたい気持ちが強まり、世界の経済問題についてもっと学ぶようになりました」と話しています。
毎年10月から翌年2月にかけて、FTスクールズは「Student Advocate Programme」を実施しています。教師の推薦を受けた生徒が、自分の学校の代表として活動し、信頼できるジャーナリズムの価値を広め、同級生に「正しく情報を知ること」の大切さを伝えます。
野村はスポンサーシップの一環として、FT.com上で、FTスクールズの主な対象である高校生向けに執筆された2つのスペシャルレポートシリーズをスポンサーしました。
第1弾は6月に公開された「デジタル世界の歩き方(Navigating the digital world)」。全8本からなるこの英文記事では、オンラインリスクへの対処法やインターネット上の事実と虚構の見分け方、「ソーシャルメディアは民主主義を救えるのか」といったテーマを扱っています。これらはFTの購読契約がなくても、スペシャルレポートページから閲覧可能です。
第2弾は9月に公開された全6本からなる「お金の基礎講座(Mastering Money)」。予算の立て方や借入れ、貯蓄、投資など、パーソナルファイナンスの基本をわかりやすく解説していて、より多くの生徒に読んでほしい内容です。こちらもFTの購読契約なしで閲覧できます。
野村は、FTスクールズのプログラムが既存の学校のカリキュラムを有益に補完するものとして広がる可能性があると考え、今後も積極的にサポートしていきます。
より多くの方にFTスクールズを知っていただき、世界中の学校で導入が進むことを願っています。この機会にぜひ、登録してください。
登録方法は、FTスクールズご利用ガイドの7ページをご覧ください。