戦略・決算

野村HD決算 収益構造改革の成果が実を結ぶ、転換点となる好決算

今回の決算のポイントを分かりやすくまとめました

サマリー

  • 税前利益・当期純利益は、4年半ぶりの高水準、2030年に向けたROE目標を3四半期連続で達成
  • 主要3セグメントの税前利益は17年半ぶりの高水準
  • 海外ビジネスの収益性が改善

2025年3月期第3四半期業績

税前利益・当期純利益は4年半ぶりの高水準

全社の収益は、5,020億円、前期比4%の増収、税前利益は、1,383億円、4%の増益、当期純利益は1,014億円で3%の増益となりました。好調だった第2四半期をさらに上回る、4年半ぶりの利益水準となっています。

税前利益、当期純利益の推移

2030年に向けたROE目標を3四半期連続で達成

第3四半期の年換算ROEは11.8%と、7四半期連続で上昇しています。野村グループは2024年5月に、2030年に向けた経営ビジョン「Reaching for Sustainable Growth」を発表し、定量目標として「ROE 8~10%+を安定的に達成すること」を掲げました。この定量目標を発表してから、3四半期連続でこの目標水準を達成することができました。

四半期ROEの推移

2025年3月期第3四半期決算の概要

2025年3月期第3四半期収益の内訳

主要3セグメントの税前利益は17年半ぶりの高水準

ROEが大きく改善している背景は、主要3セグメントの中長期的な取り組みが、成果に繋がっていることが挙げられます。例えば、ウェルス・マネジメント部門では包括的な資産管理サービスの提供を通じてストック資産を拡大すること、インベストメント・マネジメント部門では魅力的な運用商品の提供を通じて運用資産残高を積み上げていくことを目指しており、こうした残高からのフィー収入が過去最高レベルになっています。またホールセール部門では、収益を分散化し、市場変動に左右されにくいポートフォリオを構築することを目指しており、第3四半期は海外各地域で幅広いプロダクトからの収益が伸びました。全社を挙げたコスト・コントロールの取り組みもあり、主要3セグメントはいずれも好業績になりました。

ウェルス・マネジメント部門

ウェルス・マネジメント部門は7四半期連続で増益基調を維持、ストック収入*も過去最高を更新しています。着実にストック資産を積み上げるとともに、コスト管理を徹底し、9年半ぶりの高い利益水準を達成しています。ストック収入費用カバー率は72%と2030年目標の80%に向けて進捗しています。

*ストック収入:残高から発生する収入や継続的に発生する収入(投資信託、投資一任、保険、ローン、レベルフィー等)

インベストメント・マネジメント部門

インベストメント・マネジメント部門も資産運用ビジネスが好調でした。資金純流入が継続し、市場要因も加え、運用資産残高は93.5兆円と過去最高を更新しています。一方で、前四半期で大きく貢献していた投資損益が前四半期比で減少しています。

ホールセール部門

今期は特にホールセール部門が大きく利益を伸ばし、4年ぶりの高い利益水準を達成しています。経費率も70%台となり、特に海外3地域が貢献しました。各プロダクトラインがバランスよく収益に貢献しています。

各セグメントの詳細コメントは、決算資料P6-13をご覧ください。リンク

3セグメント税前利益

注目ポイント: 海外ビジネス

海外ビジネスの収益性が改善

今回の注目ポイントです。海外ビジネスの収益性がさらに改善し、海外3地域の税前利益は、518億円、30%の増益となりました。上述のように、ホールセール部門、特にグローバル・マーケッツが幅広いプロダクトで収益を伸ばしたこと、また、デジタル・アセットを手掛けるLaser Digitalが利益貢献しました。

決算内容、戦略に関する詳細は以下リンクよりご覧ください。
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